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サービス企業と受託企業

IT企業を大まかにサービス企業と受託企業に分けた場合、どちらの方がM&Aに有利でしょうか。
ここでいうサービス企業とは自社サービスの開発をメインとする企業で、受託企業は受託開発を主な事業として行っている企業です。

ニュースで聞く印象だとサービス企業の取引が多いように感じると思います。
オリジナリティの高いサービスを抱える企業が高額でM&Aされた場合のインパクトはとても大きいです。

ですが、サービス企業のM&Aは強いシナジーが必要であるため難しく、
実際のM&Aで求められる企業は受託企業である場合が多いです。

 

受託企業の場合

現在、買い手側の企業では人材が不足しているため、それを補うためのM&Aの要望が多くなっています。
受託企業の場合は、請負った案件をこなすために多くの技術者を雇用していることが多いため、企業売却には多くの買い手がいます。

技術者を受け入れるためのM&Aになるため、シナジーを考えるというより人材として技術者が欲しいのです。
買い手が多いため、サービス企業に比べてM&Aがし易いといえるでしょう。

サービス企業の場合でも技術者は必要ですが、受託企業に比べて割合が少なくなるため見劣りしてしまいます。

 

サービス企業の場合

サービス企業の場合、買い手企業と売り手企業の間で強い相乗効果を求められます。

サービス企業は既にサービスを抱えているため、M&A後にもそのサービスを継続する必要があります。
主力の事業に関係のないサービスの場合、無駄に人材を分散させることになり、経営が困難になります。

そのため、サービス企業のM&Aの場合には事業同士のシナジーを見つけることが重要になります。

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